便せん封筒はささやかな贈り物

 

街に出ると、ついつい文房具屋さんに入ってレターセットを探してしまう。

文通経験者には、そんな方も多いのではないでしょうか。

 

メールやSNSの時代と言われても、不思議と文房具屋さんから便せんや封筒がなくなることはありません。

むしろ、色やかたちに紙質など、そのバリエーションはますます豊かになっているようです。

100円ショップでもレターセットがいくつも置かれているのを見ると、手紙を楽しむ人は今もたくさんいることを実感して嬉しくなります。

そんな風に、店先に並べられたさまざまな便せんと封筒は、見ているだけで心がウキウキしてきますよね。

文通をはじめたきっかけが、「つい買ってしまった素敵なレターセットを使うため」なんて方もいるのではないでしょうか。

 

お気に入りの便箋で…

お気に入りの便せんで誰に手紙を書こうか、あの人にはどんな封筒がいいかなと、心を悩ませるのも文通の楽しみのひとつ。

レターセットを使うのもいいですが、便せんと封筒の組み合わせを自分で考えるのも素敵です。

 

平安時代の日本では、貴族たちは「かさねいろめ」と呼ばれる色の組み合わせで季節を表現しながら、着物の着こなしを楽しんでいました。

白に淡い赤色をかさねる着こなしを「桜」と名づけたり、白だけをかさねたもので「氷」を表したり。

首もとや手もとからわずかにのぞく色彩だけで、さまざまな表現を楽しむなんて、まさに風流。

この素敵な伝統に習って、便せんと封筒、それぞれの色を自分なりに組み合わせるのはいかがでしょう。

その時には、薄く透ける素材でつくられた封筒がおすすめ。

便せんの色が中からうっすらと浮かんで、送る人の想いがにじみ出るような気がします。

手紙の封を開ける瞬間、まるでプレゼントの包装を解くときのようなワクワクを感じてもらえるかもしれません。

 

手作りのオリジナルレターセット

手づくりがお好きな方は、世界にひとつだけのオリジナルのレターセットをつくってみるのもいいですね。

雑貨屋さんに足を運べば、スタンプやマスキングテープなど、封筒便せんをカスタマイズする小物がたくさん置かれています。

よくあるクラフト封筒も、色とりどりのシールを貼れば、あっという間に自分だけの封筒が出来上がりますよ。

また、自分のお決まりのマークを決めて、いつも手紙にその印をつければ、ますます手紙に対する愛着が強くなりそうです。

使う封筒はいつもちがっていても、毎回決まった場所に同じスタンプを押してみれば、受け取った相手は一目で「あなた」からの手紙だとわかるはずです。

 

こんな風にこだわりはじめると、いろいろな便せんや封筒を使いたくて、手紙を出す楽しみがつのっていきますね。

今回はどの便せんにしようか、受け取ったあの人は喜んでくれるかな、などと思いを馳せる時間も、手紙のやり取りで生まれる素敵な贈り物。

ぜひ、じっくりと悩んで、その時間を味わってみてください。

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