文通は楽しい、だから「文通大好きな人」は今でもたくさんいます。

 

LINE(メール)やSNSで、一瞬でメッセージを送ることのできるとっても便利な情報社会。今の時代に「文通」をするということは、非常に手間と時間がかかることです。

 

「手紙・手書きの文化」から離れて久しい大半の現代人からすれば、「今時、文通なんて面倒くさい・手紙は届くまで時間がかかり過ぎる」と思われやすいのですが、それでも文通文化が絶えることなく、文通がたくさんの方にやりとりされているのはどうしてなのでしょう?

 

その最大の理由は、「文通が楽しいから」。面白いことに、文通を実際にやってみると、文通は「手間と時間がかかって面倒くさいからこそ気持ちが伝わって楽しい」ということに気づきます。
実際に数ある文通サークルの中で文通村は2300名近くの村人が手紙のやり取りを楽しんでいます。(2021年11月現在)そして、村人の数は増え続けています。

文通村へ届いた手紙の数々

 

手書きの文字は気持ちが伝わるから楽しい

 

タッチパネルやキーボードで文字をパパッと打つのではなく、筆記用具のペンで文字を手書きで一文字ずつ丁寧に書く。こんな手書きの体験が、IT社会になって仕事でも私生活でも本当に無くなりました。

 

メールのフォント文字は誰が書いても同じですが、手書きの文字は自分と他人で完全に一致することは絶対にありません。心理学で筆跡鑑定があるように、筆跡の個人差は非常に多様であり、その人の性格上の個性まで表すことがあります。

 

相手のことを思って一生懸命に書き付けた手書きの文字からは、その人の気持ちや人柄がじんわり伝わってきます。手書きの文字は「人となり(その人にしかない大切な個性)」を表し、お互いの温かい気持ちを感じることができるから、文通は楽しいのです。

 

 

 

封筒・便箋を相手のために選べる事が楽しい

 

紙の葉書や手紙の需要は年々減ってはいますが、今でも文房具屋さんで「封筒・便箋・絵葉書」などを熱心に選んでいる人はたくさんいます。その中には実際に送る相手はいないけれど、綺麗な便箋や個性的な封筒が好きという人もいるでしょう。

 

文通の楽しさの一つは「相手を喜ばせる」ために、「封筒・便箋・絵葉書」を選んで実際に使えることにあります。

 

便箋好きな人は、大切な相手や手紙のために「とっておきの便箋」をセレクトしているものですが、文通をすればそのとっておきの便箋で文通相手を感動させられるかもしれないのです。

 

お手紙とコーヒー

色々な人と出会って文通相手を想像できるから楽しい

 

文通の楽しみの前提にあるのは、実生活ではまず知り合うことのできない「多様な文通相手との出会い」です。

 

年齢(世代)も職業も居住地も家族構成も趣味もバラバラな人と知り合うことができ、お互いの人生のエピソードや日常で考えていることについて語り合うことができるのが、文通の大きな魅力なのです。

 

インターネットのSNSでも「多様な出会いの可能性」はありますが、手書きの文字で形が残る手紙をやり取りする文通の方が、「相手の人柄・生活に対する想像力」がゆっくり広がる楽しみがありますよ。

 

文通サークルOPEN

対面コミュニケーション以上に、文通は話したいことを話せるから楽しい

 

面と向かって話す「対面コミュニケーション」が一番だという価値観は、ネット時代の現代にも根強くありますが、現実には対面で話したいことを話せる人は意外に少ないのです。

 

気の置けない家族・親友・恋人にだって、「話しづらい話題・悩み」の一つや二つはあるでしょう。それは現実世界では、それぞれの相手との関係性や立場があるからですが、顔を合わせない文通ならそういった関係性にとらわれない「本音と本音のコミュニケーション」がしやすくなります。

 

文通では家族や友人にも話せないような悩み相談をしている人も多く、話したいことを遠慮なく話せる貴重な場にもなっています。

 

文通には「自分の手紙(相手の手紙)が届くまで待つ楽しさ」や「自分と異なる人生を生きている他者に素直に共感できる楽しさ」などもあり、ここでは書ききれないほどの楽しさや感動が山盛りなのです。

 

文通は「人を好きになれるから楽しい」

 

スピードと結果ばかり重視する慌ただしい現代社会の対極にある「マイペース・スローライフ・人間尊重の価値観」が昔ながらの文通文化には宿っています。

 

自分と文通相手を急かさずに「マイペース」を許すことは、お互いの人生と人間性を尊重することです。

毎日を急がずに「スローライフ」で生きることは、人生や人間関係のプロセスをじっくりと大切に味わうことにもつながります。

 

文通をしていると、お互いに文通相手に興味と好感を持ち、文通相手に何かあれば本気で心配することも多くなります。

 

文通は「人から好意的な興味関心を注いでもらえる貴重な体験」になります。文通で人から好意的に接してもらうことで、自分自身も人のことが好きになっていきます。

 

文通は究極的には「人を好きになれるから楽しい」のかもしれません。人を好きになり、前向きな気持ちで日常生活に向き合えるようになることで、人生や生活そのものが明るくなってくるのです。

 

虹がかかる生活

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