会報「ふみびと」のコラムを振り返る

会報「ふみびと」は文通村のスタッフがその時々に思い感じたことを拙い言葉で紡いできたものです。今では約12年続く会報誌となりました。ここまで続いてきた中で、時々昔のことを振り返っては昔書いた文章をウェブ上にアップしていきたいと考えています。

「手紙を出す」体験

初めては確か小学校二年生の頃。

学校の授業で宛先や宛名などの書き方を教わり、母への感謝の気持ちを拙い文章でしたためる。その後クラスの全員で近くのポストに行って、各々自分で書いたものを少しドキドキしながら投函。

 

「手紙を出す」ということのドキドキやワクワク感を知った、その初めての瞬間は今でもなぜかはっきりと覚えています。


どんなことを書いたかまでは細かく覚えていないのですが、子どもながらに照れ臭さを覚えながら、それでも初めてちゃんと書いて投函する手紙に、感じたことのないワクワク感。

 

それはもしかしたら今も少なからず同じように感じているところがあるから「覚えている」のではなく「思い出している」のかもしれません。


そして「思い出している」から今でも同じようにワクワクできるのかもしれません。初めて手紙を出した、あの瞬間のことを。

手紙を初めて出した夏

それから初めて母に手紙を送った次の日、家に届く手紙を母が見てどんな反応をするかが楽しみでソワソワしながら待っていたことを。

 

手紙を書く時に、相手のことを思い、字をしたため、手紙を出す時に相手がどんな思いで読んでくれるだろうと思いを巡らせる。


子どもの頃に初めて送った手紙に、手紙の楽しさが詰まっていたように思います。

 

小学校の時に初めて教わったのは手紙の出し方だけではなく、手紙の楽しみ方だったのかもしれません。照れ臭くて言えないことも、自分の手を離れて伝えてくれる。


そんな手紙の優しさに甘えてしたためる思いは、きっとあの頃と変わらないような気がします。

「ありがとう」
時に言葉よりも伝わるその思いは。

 

2021年8月16日「会報ふみびと」280号より

 

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