文通で季節を届け合う
手紙は季節を感じる方法の一つ
朝、窓を開けて入ってきた空気や、ふと見上げた時の空の高さなど、季節を感じる方法はいくつもありますが、実は手紙を書くのもそのひとつ。
年賀状や暑中見舞、バリエーションに富んだ時候のあいさつなど、手紙と季節は強く結びついています。
そうじゃなくても、手紙を書くときには、ゆったりとした気分で窓の外を眺め、そこから見える季節の風景について思わず伝えたくなる。
そんなところがあるのではないでしょうか。
文通で豊かな時間を交換し合う
日頃は見過ごしてしまう花のつぼみのほころびや、気にも留めない風の音の移り変わり、日差しの強弱など、手紙を書こうと思うと、途端に季節からの合図に気がつきます。
あらためて、四季の豊かな国に住んでいることを実感する時間です。
そして、その発見を手紙に記せば、受け取った相手もあらためて身の回りの季節を確かめることでしょう。
文通は、そんな豊かな時間を交換し合うことでもあるのです。
言葉以外のもので季節を届ける
言葉だけでなく、他のかたちで季節を届けるのも素敵なこと。
散歩の途中で見つけた道端に咲いている小さな花を、ひとつだけ手折って押し花をつくってみるのはどうでしょう。
紅葉が始まったばかりのもみじを一葉、封筒にしのばせるのも風流です。
いつもはスマートフォンに閉じ込めているだけの写真を、プリントアウトしてみるのもおすすめ。
庭に咲いた花の写真、旬のものを取り入れた手料理の写真など、気がつけば写真フォルダは季節感ある写真でいっぱいではありませんか?
ともすれば、気づかないままになってしまう季節の彩りを、手紙を通して報告してみてはいかがでしょうか。
色彩豊かな、文通のある暮らし
日本は大きな国ではありませんが、北と南では季節のタイミングがずいぶん異なります。
離れた場所に住む文通相手と、その季節の移り変わりを教え合うのもいいですね。
桜が咲く時分、空気に雨のにおいが混じりはじめる梅雨の季節、日差しが肌を刺すように強さを増す頃合い、そういったものを知らせようと思うことで、季節に対する感度がぐんと高まることでしょう。
そして、別の土地に住む相手からの手紙を読めば、場所による季節のズレを感じることができます。
テレビの天気予報を眺めるより、ずっと身近にちかいを感じられるはずです。
手紙で季節を送り始めると、周囲の色彩はどんどん鮮やかになっていきます。
ぜひ、あなたもその豊かさを感じてみてくださいね。